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漢方薬剤師になるには?資格と漢方認定薬剤師になる方法

漢方薬剤師になるには?資格と漢方認定薬剤師になる方法

薬剤師の多くは、医師の処方せんによる調剤業務、
つまり西洋医学に基づいた調剤業務に従事している人がほとんどだと思います。

 

その一方で、東洋医学である漢方の調剤に就く方もたくさんおられます。

 

しかし、漢方に携わったことのない薬剤師には、
「そもそも漢方薬・生薬って何なのか?」
「普通の薬と何が違うのか?」

 

といった疑問が出てくるかと思いますので、
今回は、漢方に携わる漢方薬剤師について紹介します。

 

 

漢方とは?

 

漢方薬は生薬から成り立っています。
生薬とは自然界に存在する植物や動物、鉱物由来のもので、
古代から経験的に薬能のあるものとして認識されたものを指します。

 

漢方薬はこの生薬を何かしらの治療目的を達成するために、
複数の生薬を混合して用いられます。

 

 

西洋医学は一般的に病名を診断し、導き出された病名に従って治療が行われます。
そのため、レントゲンや血液検査などを行い、異常を見つけ病名を決めることを行います。

 

しかし、検査結果に異常がなければ、問題なしとなってしまう白か黒の判定なのですが、人間の体調は簡単に割り切れるものではありません。

 

それに対して東洋医学の診断概念は、病名ではなく「証」という状態を診断します。
体調が悪ければ病名はつかなくても、どこかにその原因があるはずです。

 

 

身体の異常を正常化するために、個々の体質や体力、抵抗力などに応じて
オーダーメード治療であることが東洋医学の特徴です。

 

顔色だったり、体系、肌のつや、唇の色など、
その時の体質や症状に合わせた漢方薬の選択を行っていきます。

 

 

調剤薬局と漢方薬局の違い

 

調剤薬局では、医師からの処方箋に基づき薬剤師は調剤業務を行います。
患者さんの診察・診断を行うのは医師で、
薬剤師は処方箋を受け付けお薬の専門家として患者さんに関わっていきます。

 

しかし、漢方薬局では、薬剤師が患者さんに直接カウンセリングを行い、状態を把握し、
患者さんの体調に合わせた漢方薬の調剤まですべてを薬剤師が行います。

 

 

患者さんの悩みや疾患に直接関われることにやりがいを感じられるのが
漢方薬剤師の大きな魅力ではないでしょうか。

 

漢方薬局に来られる患者さんは、
アトピー性皮膚炎や花粉症、高血圧、喘息、月経痛などはっきりした病名のものから、
不眠、めまい、むくみ、イライラなど原因不明の症状の場合も少なくありません。

 

また、西洋医学の病院を受診しても治らないので、相談に来られることが多く、
西洋薬を飲んでいるケースも多いので西洋薬の知識も必要になることも少なくありません。

 

 

漢方薬剤師になるには

 

漢方薬・生薬認定薬剤師の資格をとる

漢方薬剤師の資格としては、
公益財団法人日本薬剤師研修センターと日本生薬学会が合同で認定する
「漢方薬・生薬認定薬剤師」があります。

 

「漢方薬・生薬認定薬剤師」とは?
 「漢方薬・生薬認定薬剤師」は、専門業務分野においてあるレベル以上の能力と適性を持っていることを試問等により確認し、その能力を証明された薬剤師を指します。
 認定されたことにより、患者や処方医師に自信を持って漢方薬・生薬に関する情報提供ができます。また、「漢方薬・生薬認定薬剤師」であることを、認定証掲示やIDカード着装により、患者や他の医療従事者にアピールすることもできます。

公益財団法人 日本薬剤師研修センターより

 

 

漢方薬・生薬認定薬剤師になるには

日本薬剤師研修センターと日本生薬学会が実施する研修に参加し、
試験に合格することで資格を取得することができます。

 

また、資格を取れば修了ではなく、
漢方も日々新しい情報をアップデートしていかなくてはいけません。
そのため、資格取得後も継続的な勉強が必要となります。

 

認定資格

@認定申請は、日本国の薬剤師免許を持っている者に限る。
A「漢方薬・生薬研修会」(講義研修と薬用植物園実習)を修了する。
B試験に合格する。

 

更新資格

更新期間は3年間。認定証の更新は次の2つのいずれかの方法による。
@3年間に漢方薬・生薬に関連する研修により、30単位以上取得する。ただし、必須研修を15単位含むこと、毎年5単位以上取得すること。
A3年間に漢方薬・生薬研修会の再受講(上限20単位)、およびその他の漢方薬・生薬に関連する研修により合計30単位以上取得する。ただし、再受講および必須研修による単位を合わせて12単位含むこと。

 

 

漢方メインの薬局で経験を積む

調剤調剤では、医療用医薬品としての漢方薬は扱いますが、
生薬から漢方を調剤するということは行いません。

 

生薬は漢方の原料となる天然由来の素材です。
漢方薬の使用目標や構成生薬の扱い方や成分を含め性質を正しく知るには、
漢方をメインで取り扱う薬局で働くのが一番の近道です。

 

漢方薬局では何百種類もの生薬を扱っており、
実務を通して漢方の専門的な知識を身につけることができます。

 

 

漢方薬剤師にインタビュー

 

病院薬剤師からの「漢方薬・生薬認定薬剤師」取得

「漢方薬・生薬認定薬剤師」を修得される薬剤師は、漢方薬局や漢方専門外来のある病院で勤務されている方が多いと思います。私の場合は、当初勤務している病院に漢方専門外来があったわけれはありません。

 

産婦人科病棟の担当になったときに、その病棟で西洋医学と東洋医学とを融合した治療が行われており、漢方薬の服薬指導に悪戦苦闘の日々でした。

 

そんなとき、漢方専門医の漢方勉強会があり、漢方の基礎や解説を教えてもたっら事がきっかけです。そのセミナーで漢方の奥深さに興味を持ち、薬剤師研修センターの「漢方薬・生薬認定薬剤師」を修得したいと思うようになりました。

 

現在は、病院に漢方外来もオープンし、漢方薬の知識を深めるとともに臨床研究などにも従事しエビデンス構築をしていければと考えています。西洋医学も漢方もじ湯に用いれるのは日本の特徴と言えますし、とても恵まれた環境だと感じています。

 

 

まちの薬局での健康相談の使命

私の勤務する薬局は典型的なまちの薬局です。住民の方々の健康的な生活をお手伝いできるように調剤はもとよりOTC(一般用医薬品)、化粧品、衣料雑貨、健康食品等を扱っています。

 

近年は自然志向の中で、漢方薬や民間薬、生薬成分を主とする健康食品も多く、お客様へのアドバイスに漢方薬・生薬の知識は欠かせません。

 

処方箋調剤の世界でも漢方エキス製剤や生薬処方箋の増加がみられ、その応需にあたっています。日々変化していく薬剤師業界において、生薬・漢方薬の知識の必要性を実感として感じています。

 

漢方薬・漢方医学は実践の医学なので、実際に使うという経験が現場で最も役に立つと思います。その分野でも同じですが、資格取得はスタートラインです。漢方を扱える現場で店頭に立って、経験の積み重ねることが現場で活きるのだと思います。

 

 

薬剤師と言えども漢方の世界は特集でわからないという人も多いと思います。
漢方薬は長い歴史を経ても廃れることなく、後世に受け継がれてきた知識です。

 

近頃は、化学合成の西洋医学より自然である漢方薬が見直され注目されることが多くなり、
漢方に興味のある薬剤師さんも多いのではないかと思います。

 

まずは、生薬や漢方薬に取り組んでいる薬局で働いていみる、
漢方のセミナーや勉強会に参加してみるのもいいかもしれません。

 

漢方薬局での薬剤師の仕事内容、漢方薬局で働くメリット・デメリット等を知りたい人は、
ぜひ一度コンサルタントに相談してみてください!

 

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